所在地 | 島田市大代字安田(あんだ) |
駐車場 | 駐車場なし |
ジャンル |
花・木・自然
文化財
|
昭和33年10月30日 県指定文化財(天然記念物)
シイはブナ科の常緑広葉高木で、本州の千葉県以西、四国、九州に分布しています。
安田の大シイは、根回り18.5m、目通り4m、樹高26.9m、枝張り、東西26.3m、南北22.72mで、樹勢はなお旺盛で、根本から幹が分かれています。
おもな枝は、地上1.95mから三本に分岐して、さらに数本にわかれています。
北枝胴回り4m、東枝4.6m、空洞はなく細部の枝はよく繁茂しています。
■島田市博物館ホームページ内 県指定文化財 天然記念物安田(あんだ)の大シイ
金谷の史話、民話、伝説
金谷宿 昔ばなし 第2集 「大きな二本の木の話」
むかしむかし、大井川の向う岸に一本の大きなクスノキが立っていました。大井川のこちら側にも、やはり大きなシイノキが立っていました。
この二本の木は、あばれんぼの大井川をはさんでいつも口げんかをしていました。
シイノキが「おれの方が古くて大きいさ。なにしろ粟ん岳の無限の鐘がゴーンと鳴り始めた時は、おれの生まれたずっと後なんだ」と言えばクスノキも負けずに、「わしの方が古くて大きいよ。駿河山に古墳を造る人たちがエッサカモッサカ土を運んだ時から生きているんだからな」とやりかえします。
シイノキがわめくと、あばれんぼ大井川はやかましさにかんしゃくを起こして、駿河の山にザザザン、ザンザンと波をぶっつけます。クスノキがわめけば横岡や志戸呂の村に、ザーンザ、ザーンザ波をぶっつけます。
このやかましい声とあばれ川の音に駿府のお城のお殿さまはすっかり閉口してしまいました。そして、「二本の木には川向こうでけんかをさせろ。駿河の山は切り離せ」と家来に命じました。
クスノキの立っている山は切り離され、大井川の流れはクスノキより東側に変わりました。二本の木の間には大井川がなくなりました。
クスノキとシイノキが、今まで川だった所を呆気に取られて見つめているうちに、村の人たちはせっせと田を作り畑をたがやし、いくつも村を造りあげました。
人々の働きぶりを見ているうちに、二本の木は気持ちが穏やかになりけんかの事など忘れていました。その後すっかり豊かな心になり、仲直りした二本の木はますます大きくなりました。
行ってごらんなさい。牛尾の山には大きなクスノキが、安田の里にも大きなシイノキがみなさんのことを見守っています。幹に耳をつけて二本の木の昔語りを聞いてみましょう。(作:西村文夫)
発 行:平成7年3月30日
発行者:金谷町長 孕石善朗
発行所:金谷町役場
編 集:金谷町教育委員会
公共交通機関 | |
車 |